トシ誕SS

頑張って書いてみたよ。明日普通に仕事なのに何やってんだ…

いつも通りバカップル(…)

いつも以上に銀さんオトメン注意報発令。

やさしい音

4月28日。

銀時はもう四半刻ほど黒電話とにらめっこしている。

自分でもらしくない、と葛藤しながら。

だって絶対、喜ぶだろうから。

柄じゃないとは百も千も承知である。

でも、基本眉間に縦じわ入ってるような仏頂面の人間が、目尻を僅かに下げ、喜色を滲ませてやわらかく笑う、貴重な顔が見たいではないか。

本人は気づいていないだろうが、それは銀時だけに向ける表情で、初めてその顔を見たときは、それはそれは驚いたのだ。

有り体に言えば、「落とされた」のである。

絶対相手には言ってやらないが、密かに気に入っているその表情を見たいと思うのは至極当然なのだが。

しかしだからといって、自分から誘うというのは変な意地が邪魔してなかなかできないのだ。

「誕生日祝いたいから会おう」などと、ストレートに言えたらどんなにいいだろう。

生憎、自分はそんなに素直にはできていない。

第一、あの真選組バカの仕事人間ときたら、日々激務に追われてて、捕まえるのになかなか難易度が高い。

どうせ「仕事だ」と言われるのが落ちではないか。

そもそも銀時が冒頭のように延々電話とにらめっこする羽目に陥っているのは、往々にして顔を出すこのネガティブ思考のせいだろう。

基本ポジティブ、というか宵越しの金は持たねぇ!というか明日は明日の風が吹く!という江戸っ子気質の銀時だが、こと自分の色恋沙汰となると多くを望まなくなる。

ダメージが少なくて済むように、銀時には自然とあまり期待しない癖がついていた。

そもそもが、かつての自分の所業からすれば、今は過分なほどに幸せだと銀時は思っている。

恵まれた人生を送ってきていないが故に、諦め癖というのだろうか、与えられ慣れていないのだ。

だから、と彼は考えて、妙案を思い付いた。

まずそれとなく相手の予定を聞き出そう。うん、名案。

作戦が決まり、箪笥の引き出しにそっとしまってある紙切れを取り出す。

実はあまり銀時からは電話を掛けたことがない。メモに書いてある番号を確かめながら、年代物の黒電話ーー今時まだ使っているのかと、初めて訪れる依頼人などによく目を剥かれるーーを回し始めた。

理由がなければ、理論武装できてなければ、電話もできないなんてとかすかに自嘲しつつ、繰り返されるコール音を聞く。

『珍しいな、お前から掛けてくるなんて…どうした?』

久しぶりに聞く低音が、心地よく耳をくすぐる。心なしか、向こうも嬉しそうに感じて。

電話で良かった。早くなった鼓動も電話なら隠せる。

「や、えっとその、アレだ、一週間後とかさ、空いてたりする?」

『あァ?何だいきなり?』

「ホラ、ゴールデンウィークじゃね?どっか旅行とか行きたいなーなんて。連れてってくんない?」

『生憎だが、人様が休んでるときの方が警備を強化しなきゃなんねーんでな……ゴールデンウィークなんざねェよ』

「だよなァ……」

そう来ると思った。

『なんだお前、旅行行きたかったのか?一泊二日で良けりゃ、今度連れてってやるよ』

意外にも、まんざらでもなかったらしく、機嫌の良さそうな返事が返ってくる。

呑気なものだ。こちとら5月5日じゃなきゃ意味ねーってのに。

「オメーの今度にゃ期待してねーよ、」

ふ、とかすかに笑んで、軽口を叩く。

そんな日が本当に来ればいいのにな。

「じゃ、お仕事お疲れさん。」

『あ、おい銀時……!』

焦った声が自分を呼ぶけれど、聞かずに切ってやる。

……はァい終了ォ。

大丈夫。予想した答え通りだっただろ?

銀時は目を閉じ、ふぅ……と長く息を吐いた。

一週間後と聞いてもピンと来ず、空いてないと答えるということは、やはり自分の誕生日を忘れているのだろう。アイツらしい。

5月5日は子どもの日でもある。

柏餅やちまきでも作って、子どもたちと一緒に過ごそう。

その日は家族サービスだと決めた。

*****

それからあっという間に一週間が過ぎ。

現在、5月4日の11時55分。

銀時は、一週間前と全く同じ行動を繰り返していた。すなわち、籐椅子に腰かけ、事務机で頬杖を突きつつ電話の前でにらめっこ、である。

「空いてない」とは言われたけど。

一緒に過ごすことはできなくても、せめて電話で「おめでとう」くらいは言ってやった方がいいんじゃなかろうか?

そう思って例のメモを箪笥から引っ張り出し、手に持ってはいる。

はぁ……と溜息を零す。情けない。

アホかオメーは!何でそんな構えちゃってんの?

ちょっと電話で「おめっとさん」とか軽~く言やァいいだけだろ?!

自分で自分を叱咤しているのに、指はなかなか動いてくれない。

何でこんなにも、電話を掛けるのに勇気が要るのだろう。

ああ、何か手に汗かいて気持ち悪い。

手に持ってる電話番号メモの紙も、ちょっとしんなりしてきたし。このままじゃびしょびしょになっちまうっつの!

それは困るってか何か嫌だ。

って、言ってる間に11時58分だしィィ!

ええいままよ、とダイヤルを回す。

プルルルル……

コール音が続く。どうしよう、掛けちゃったよ、と今更ながらに間抜けなことを思う。

『おう、どうした』

「げ、」

『……オイ、「げ」とは何だ、「げ」とはァァ!』

「や、その、何お前まだ仕事中?」

『いや、さっき終わらせたとこだ』

「へぇ、そーなの、お疲れー。じゃ、おやすみー」

『オィィイイ何切ろうとしてんだァァ!!!』

相手が出たことに思いのほか動揺してつい切りたくなった銀時だが、土方の清々しいまでのツッコミに思いとどまる。

「……何?」

『何じゃねーだろーがァァ!!今掛けてきたばっかで何ですぐ切ろうとすんだよ!!』

「いや、何つーかちょっと衝動的に……てかお前今外なの?」

『ああ、』

電話の向こうで街中の音がしている。ということは市中見回りの後引き上げるところか。

「今ひとり?電話、切った方がいいか?」

市中見回りは基本二人組で行うのだと以前聞いた。

それならば、こんな電話はまずいのではないか、と銀時は土方の立場を慮る。

意外とこういうところで気を回す性質でもあるのだ。

『いや、一人だから問題ねえ』

「そっか」

少しほっとする。今ので多少緊張もほぐれたようだ。

「こんな遅くまで大変だねェ」

『そりゃどーも。……で?』

「で?って何」

『お前、何か俺に言うことあるだろ?』

あ、バレた。てかさすがに気づいたのかな、誕生日のこと。

「何だっけ?忘れたわ」

『あのなァァ!何か用事あって掛けてきたんだろーが!』

「いやー最近物忘れが激しくて……何だったかな~さっきまで覚えてたんだけど……」

『オイ、お前マジメに忘れたんじゃねェだろうな?』

土方の呆れた声に笑ってしまう。ああ、何か久しぶりだ、この掛け合い。

ていうか、柄にもなく舞い上がってる。

何でさっきまであんなにうだうだしてたんだろう。思い切って掛けてさえしまえば何てことなかったのに。

おっと、そんなことやってる間にあと10秒だ。

「大丈夫大丈夫、思い出したからさ」

くくく、と笑いをこらえて言う。

「ごー、よん、さん、にぃ、いち、」

時計の秒針を注視しながら、自然とカウントダウンして。

「誕生日おめでとう、」

『…………おう、』

ぷぷ、喜んでる喜んでる。

ああ、その顔見たかったなぁ。

「それだけ。じゃ、明日も仕事頑張れや、」

『アホかテメーはァァ!!』

ビリビリ、と電話が震えて、耳がつーんとした。思わず受話器を耳から遠ざける。

は?

何ソレ。何でおめでとうコールでアホ呼ばわりされにゃならんわけ?

てか。

…………え?

玄関ががらりと勢いよく開いた音。

『オフもらった』

「え」

電話の声とほんの少しずれて聞こえる声。

どたどたと廊下を騒々しく歩いてくる足音。と。

「『誰の誕生日だと思ってんだテメーはァァ!傍に居やがれェェ!!』」

目の前には、携帯片手に恥ずかしい台詞をのたまってくれやがった漆黒の男。

「なん……で、えええ??」

実際に鳩が豆鉄砲を食らったとこなぞ見たことはないが、恐らくぽかん、とそんな顔をしていたんだろう。

それにしたって、人の顔見てはぁ、とこれ見よがしに溜息を吐いてくれることはないと思う。

「……悪かった、俺ももっと早く気付きゃよかったんだが……」

歩み寄ってきた男にやおら抱き寄せられる。

こら、煙草臭ェっつの。

「お前もたいがい分かりにくいんだよ、素直にねだっとけっての」

どうやら一週間前の電話の意図も読まれたらしい。

「つーかお前ホント人の話聞かねェな。何で今日仕事だって決めつけんだよ」

「え、だって、ゴールデンウィークなんざねェ、って」

一週間前。大丈夫大丈夫と言い聞かせつつ、密かに落胆してた身としては、ちょっと納得が行かない。

「悪りぃ、確かに一週間前は誕生日なんて忘れてた。でも総悟とか近藤さんとかに話題出されてな。オフもぎとったんだよ」

「ふーん……何か俺、うだうだ悩んだのがバカみたいじゃね?」

「だからアホだって言ってやっただろーが。因みに拒否権は認めねェ」

「……横暴」

ついでにサラサラストレートがむかつくので、後ろ髪を一房摘まんで引っ張ってやる。

「あ、ていうかさ、来ると思ってなかったから何も用意してねーぞ?」

「んなのテメーには期待してねェよ。つーかお前もらうからいいんだよ」

「……左様ですか」

何この人、普段ニコチンとマヨばっか摂取してる癖に、何で台詞はチョコレートばりに甘くなるんですかァァ!!

熱くなった顔を隠すように、銀時はくてん、と土方の肩口に額を埋めた。

「……電話じゃなくて直接聞きてェ、」

思いのほか切羽詰まった低音が耳に吹き込まれて、びくり、と肩が撥ねた。

ぽそぽそ、ともう一度耳元で言ってやると。

密かなお気に入りである喜色を浮かべた例の表情で、「ありがとよ、」と囁かれた。

かと思うと、やさしい音は唇と唇の間でそっと溶けてしまった。

fin.

砂糖吐ける。。。すみません…

この人たち昭和の香りするよ…恥ずかしい!!

がんばろうとうしろうキャンペーン的な感じで!

土銀にはベタが似合う!と思うので、思いっきりベッタベタです。

トースト銜えて遅刻遅刻ー!と走ってたら転校生と出会い頭でぶつかって、身長も体型も同じなので出会い頭でちゅーってなぐらいベタが似合う。そんな土銀はいかがですか。


妊婦 セックス うにゃああああ


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